アセクシャルの、私の世界で

この世界のアセクシャルのひとり

アセクシャルを自認したとき

私は自分がアセクシャルなのではないかと気づき始めたのは、14、15歳の頃ぐらいだったと思う。

不登校だったので、リアルに同年代と話す機会はなかったが、オンラインゲームなどで人との交流はあったし、姉から聞く恋愛の話などから、自分はいわゆる一般的な人間ではないな、となんとなく感じ始めた。

そして20歳になったとき、はじめて人を好きになった。

年上の男性で、朗らかな人だった。

気づいたらもう、それこそ今でいう推しに近いものだったが、ドキドキして顔も見れないほどだった。近くに来たら恥ずかしすぎて離れてしまうほど。

知れば知るほど惹かれていった。
そしてあるとき、二人でいるときにずっと目を合わせる状態になり気づいた。

好きでドキドキもある。だけどそれ以上(キスだったり、性行為的なもの?)が私には全く想像できなかった。

そのときに鮮明に分かった。自分は人とは違う。
このまま恋愛関係に進んでしまえば、相手を不幸にするのではないかと。

そこから一切身を引いてしまった。
なにもできなくなった。怖くなってしまったから。

その後、その人は結婚したと聞いた。
ショックでとても悲しいのになぜか安心した。

それから数年して、年下の男性に好意をもってもらい、素敵な人であったのもあり、付き合うという事に応えようとしたが応えられず…逃げてしまう形になってしまった。(どうしていいか分からなかった)

何人か、職場でも地域でも好意を寄せてくれる人がいたが、すべて断っていた。恋愛をすることが怖かった。

それから何年後か、また人を好きになったのだけど、恋愛の入り口的なものや、付き合うという流れが全く分からず、本当の恋?になる前に失恋してしまった。(なんといえばいいか明確な言葉が見つからない)

ほとんど恋をしなくて、性欲はあるが、性的欲求を他人に抱いたことがない(これを説明するときが一番困る…人に性的欲求を抱くってどういう状態?と思っている)
好きになった人とは手を繋ぎたい、ハグなどはしたいと思う。

ドキドキするし、目を合わせているだけで幸せなのだ。キスしたいとかないけど。
(それは私に経験がないだけなのかもわからない。)

そういったこともあり、自分は欠けている人間なんだと思ってきた。
人間として欠陥品なんだと。
でも私は人を愛している。家族も友達も知り合いもみんな好きだし、大切だ。

セクシャルの振り分けにこだわることはしたくない、けど、帰属できるセクシャルなどがあるということは非常にありがたいと思う。

いわゆる、大多数から見れば"普通ではない感覚の持ち主"を言語で表すことで、全く見えない何者かではなくなる気がするから。

社会において地域において、普通を演じながら生きている。
恋バナもよくわからないし、恋人がいないことで"ホントにいないの?""もったいない"と言われることの意味がわからない。

なにがもったいないの?という感じである。
そして人からの好意にもだいぶ鈍感なようである。恋愛以外にも鈍感なのは否めないが…(いわゆる恋愛フラグ的なものは全くわからないし気づかない)

私が恋愛感情をもちにくいからかもしれないが、誰かが私を好きになるということが、あまり理解できないでいる。 

しかし、子供はほしいし、結婚して、信頼できるパートナーと一緒に人生を切り開いていきたいと思っている。
焦ることはないけど、マイペースに自分らしく、ありのままで生きていけたら。